ひとめぐりは、目黒区で活躍するかたにスポットを当てて紹介する、めぐろ区報の連載記事です。

宮下晶子(みやしたあきこ)さん
京都生まれ。大阪音楽大学ピアノ科で学んだ後、高校教師として教壇に立つ。結婚を機に目黒区に移り住み、子どもコーラスを始める。令和4年に多彩な
子どもの居場所づくりを目指し、NPO法人あおぞらを設立。現在、(公財)日本国際連合協会の評議員も兼任。
「教師時代、厳しい家庭環境の生徒に出会い、何もできない歯がゆさを感じたのが、ボランティア活動に目覚めた原点でした」と語る宮下さん。以来、子どものためにできる支援を模索し続け、25年前、娘さんの通う東根小学校で、子どもたち5人を集めて子どもコーラス「コスモス」を始めました。今では20人規模となり、卒業生は200人を超えるほどになりました。
コロナ禍では「先の見えない世の中でも希望を届けたい」とチャリティーコンサートを企画。多文化共生を見据え、ミャンマー人やアフリカ人・オーストラリア人の友人、地域のかたに協力を依頼し、「世界の子どもたちに笑顔を届ける」をテーマに実現しました。それを機に、もっと未来を担う子どもたちが楽しめ、明るい未来を描けるよう、そして将来社会で活躍できるよう手助けしたいという思いから、NPO法人あおぞらを設立。本格的な活動へと踏み出しました。
あおぞらの活動は多岐にわたります。以前に鑑賞した子どもコーラスの発表会で、障害の有無を超えて共に歌う姿に感動し、歌好きなら誰でも参加できる子どもコーラスを立ち上げたそうです。また、宇宙体験教室では宇宙テーマパーク設立を目指す研究者を招き、子どもの宇宙への興味を広げています。

プロから落語を教わる落語講座「らくご笑学校」では、「普段おとなしい子が高座では一転して明るくしゃべる。その姿には本当に驚かされます」と宮下さんはうれしそうに話します。子どもたちがいつもと違う姿を見せられる、かけがえのない居場所となっているようです。

令和7年からは新たに区内の飲食店と協力し、地域の小・中学生を対象にした月2回の「宿題カフェ」をスタート。宿題のサポートをしたり、自由に遊べる場を提供したりしながら、片付けやあいさつといった礼節の指導も怠りません。「遊んで終わりではなく、やるべきことはきちんとやる。それが最も大事だと考えています」。また、カフェでの様子から子どもの心情を察することも多いそう。気になる点があれば保護者に事情を聞き、適切な心のケアに努めています。今後について、「子どもが主体的に学べる場をより増やしていきたい。同じ思いを持つ方々に参画してほしいです」と話す宮下さん。子ども一人一人が生き生きと学び、望む未来へと歩んでいけるよう、地域の居場所づくりに取り組む強い思いが伝わってきました。
